日本におけるQRコード決済の普及率！中国との違いは？今後の課題も

「日本のQRコード決済の普及率は？」

「今後QRコード決済が普及するための課題は何？」

このように、QRコード決済の今後の普及について疑問を持っているのではないでしょうか？

現在QRコード決済の利用者数はごくわずかですが、誰でも利用できて導入コストの低いQRコード決済の普及に期待を持つ事業主は少なくありません。

この記事では、日本におけるQRコード決済の普及率と中国との比較、そして今後普及率成長のための課題について詳しくご紹介していきます。

簡単にまとめてあるので、QRコード決済の未来が気になる方は必見です。

QRコード決済の普及率

日本におけるQRコード決済の普及率は極めて低いと言えます。

MMD研究所が実施した「スマートフォンでの決済に関する調査」では、QRコード決済の認知度は51.6％であるのに対し、実際に利用している人は1.9％という結果でした。
（参考：https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1683.html）

QRコード決済を認知している人は半数しかおらず、さらに利用方法がわからない、どのサービスを利用すればわからないために大多数の人が利用していないことが予測されます。

さらに、同調査ではQRコード決済を含むモバイル決済を利用している人のうち、おサイフケータイ利用者とApple Pay利用者の合計が50％、LINE Pay利用者が21％という結果となっています。

つまり、モバイル決済利用者の中でもQRコード決済のLINE Payを利用する人はまだ少なく、普及率が低いことがわかります。

中国におけるQRコード決済の普及率！日本との違いは？

日本銀行によって2017年6月に実施された「モバイル決済の現状と課題」という調査報告によれば、中国の都心部では98.3％もの人がモバイル決済を利用したと答えています。
（参考：http://www.boj.or.jp/research/brp/psr/data/psrb170620a.pdf）

米国の5.3％、日本の6.0％と比較すると、いかに中国でモバイル決済が圧倒的に普及しているかがわかるかと思います。

中国でQRコードが普及した理由として中国の社会的背景が関係しています。

もともと中国では偽札の横行など、現金を扱うことのリスクが社会的問題となっていました。

その問題を抱える中、2015年から2016年にかけて中国で急速にスマホが普及したことが起因し、現金支払いのリスクがないQRコード決済が一気に広まったのです。

中国と日本とのQRコード決済を比較

中国のモバイル決済普及率はQRコード決済を中心として驚異の98％という数字です。

一方、日本は2016年時点での日本銀行による調査ではモバイル決済を利用したと回答した人はわずか6.0％にとどまっています。

この日本と中国の大きな違いはQRコード決済サービスの潜在ユーザー数と、そのサービスの豊富さにあると考えられます。

中国の2大QRコード決済サービスであるAlipayとWeChat Payはモバイル決済が広まる以前から数億人規模の顧客を抱えており、すでに普及する準備が整っていました。

特にAlipayは決済サービスの他に、銀行業務や信用情報サービスなどを展開しており、Alipayが中国人のライフスタイルを取り囲んでいる点が日本にはない特徴です

日本のQRコード決済普及率は成長する！

QRコード決済は、今後日本で普及する可能性を秘めています。

2020年の東京五輪に向けて、日本政府はキャッシュレス決済の普及を推進している上に、利用コストの低いQRコード決済の導入を意識している店舗も少なくありません。

また、日本能率協会総合研究所では日本国内におけるQRコード決済の市場が2023年度に8兆円を超える推計値を発表するなど、QRコード決済の普及が期待されています。
（参考：http://search01.jmar.co.jp/static/mdbds/user/pdf/release_20181107.pdf）

しかし、日本におけるQRコード決済の普及には課題があります。

日本でQRコード決済が普及するための課題

日本でQRコードが普及するためには、ユーザーによるモバイル決済体験を改善し、QRコード決済加盟店の増加が必要だと考えられます。

例えば中国では、QRコード決済のチャージ残高に銀行の数倍の金利が発生するため、利用者は中国の銀行にお金を預けておくよりも、QRコード決済サービスにチャージしておく方がお得になります。

また、日本のQRコード決済サービスの決済手数料が2〜3％であるのに対して、中国QRコード決済の決済手数料は無料で、さらに売り上げ金を銀行入金する際の手数料もわずか0.1％となっています。

こういった中国のように、日本でQRコード普及させるためには、ユーザーのモバイル決済利用を促すサービスの開拓や、店舗がQRコード決済を導入するための施策が課題となるでしょう。

QRコード決済の普及率まとめ

QRコード決済の利用率は約1.9％と日本での普及率は極めて低いものとなっています。

しかし、中国ではQRコード決済を中心にモバイル決済の利用者数が98.3％にものぼり、日本との普及率に大きな差が開いています。

中国では現金を扱うことのリスクという背景に加え、中国のQRコード決済は決済機能の他に利用者のライフスタイルを取り巻くさまざまなサービスを展開している点が日本との大きな違いとなります。

QRコード決済が今後日本で広く普及するためには、ユーザーのモバイル決済に関する体験を改善し、QRコード決済加盟店の増加促進が課題でしょう。

QRコード決済の普及率成長は、サービス提携会社の施策が鍵になります。